正史三国志を読む

正史三国志を読んだ感想やメモなど

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

陳王・劉寵の死亡年を疑う

後漢末の豫州情勢は何かと不明点が多いが、気になるのは陳国王の劉寵のことである。 陳国の始祖は後漢の第二代皇帝の明帝の子の劉羨である。劉寵は第11代の桓帝(132-168)と同じ世代にあたる。曾祖父同士が兄弟である。第12代の霊帝(156-189)からは親の世代に…

三国志に出てくる涼州盧水胡、安定盧水胡を考える

本当に盧水胡について考えるのであればあたるべき先行研究もあるだろうが素人が素人なりに考えるのが本ブログなので、臆せずやる。 盧水胡と言えば匈奴系のイメージが(私には)あるがそれは誰に教わったのか、あるいはWikiに書いてあったのを見たのか。いず…

馮翊山賊の鄭甘

盧水胡のことは調べたいと思っていた。が、先に馮翊山賊の鄭甘について書く。 曹操は220年1月に死去し、曹丕が魏王となる。曹丕が皇帝となるのは220年の10月。その間の5月に、馮翊山賊の鄭甘と王照が降伏してきたと言う。 注の王沈「魏書」によれば、「鄭甘…