正史三国志を読む

正史三国志を読んだ感想やメモなど

2024-01-01から1年間の記事一覧

陸遜はもとの名を陸議という

寒泉という台湾のサイトがある。そこは資治通鑑の検索ができ、便利だったのだが先日からつながらなくなってしまった。もっとも資治通鑑は編年体なので調べたいことがあれば年代の目星をつけて情報を探せばいいだけではあるのだが、寒泉の資治通鑑は胡三省の…

袁術の急激な衰亡を考える

私は袁術のファンということではないのだがここのところ袁術絡みの記事を多く書いた。袁術自体は記述が少なくその謎が多いながらも、袁術の周縁(曹操、劉備、孫策、呂布)には考察の情報が豊富であるということも理由だろう。 190年代の袁紹陣営など公孫瓚…

魯粛のこと(劉曄、鄭宝とのこと)

前回、二張(張昭、張紘)の孫策への仕官時期を考えた。似たところで気になるのは魯粛である。魯粛は孫策に仕えたのか、そもそも出会ったことがあるのか、ということがよく分からなくなる(私が)。また、その頃の魯粛を考えようとした時、整理しなくてはな…

孫策と二張(張昭と張紘)

分かっているようで分かっていない(私が)なのは、二張はいつ孫策に仕えたか、である。 三国志演義をざっと調べて見ると両者は孫策が劉繇攻撃に赴く際に合流している。推薦したのは周瑜で、「江東有二張」という文句が出てくる。だが、二張はどちらも徐州人…

丹陽西部

孫策と丹陽郡の関連性を整理しておきたい。この際、「丹陽西部」についても注目が必要となる。 特に調べ直さず、丹陽に関する自分の認識を書いていくがまず地図を置いておこう。 丹陽は、丹楊とも書かれることが多い。レアケースでは、丹揚と書かれているこ…

沈友と、呉興武康県の沈氏を考える

前回の華歆の記事において、沈友との関係は省略した。 今回をそれを取り上げたうえで、沈氏のことを少し考える。 沈友は三国志呉主伝の注の吳錄に出てくる。 呉主伝の204年の記事に注が付され、 その文章は「この時~」と始まり、孫権が沈友を処刑したと記す…

華歆の豫章太守就任

華歆について考えたいことは2つある。1つ目は、華歆の人物評価である。魏朝の初代三公となった華歆をどう評価したらよいのか。私の中では結論が出ている。しかしいつ書くかは未定。結論が出ているものについてはむしろ書くことが億劫になってしまっている。…

197年前後の東方戦線(呂布、袁術、劉備)の整理② + 韓暹、楊奉

前回は①紀霊の劉備攻撃②呂布と袁術の戦闘を考えた。 今回は③呂布と劉備の戦闘(2回?)④韓暹、楊奉の滅亡を見ていく。 あらためて通鑑での時系列(記載順)を貼っておく。 196年:・袁術が徐州に侵攻し、劉備が防戦する。・呂布が下邳を奪い、劉備は袁術に…