正史三国志を読む

正史三国志を読んだ感想やメモなど

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

197年前後の東方戦線(呂布、袁術、劉備)の整理①

前回、196年頃の陳珪について考えた。それに引き続いて、翌年の徐州の情勢を整理しておく。自分の分かっていること、分かっていないことの整理である。 武帝紀はこのあたりの情報が少ないため、通鑑をもとに見ていく。通鑑での時系列(記載順)は下記である。…

沛国相・陳珪に関する疑問

三国志を読んでいて、さっぱり分からない記述にはよく出会う。その場合はそれをノイズとしていったん無視してしまうか、あるいは誤謬の混入を疑い考察するか。私にとって、「袁術が陳珪の子を人質にした」という記述も、またそのうちのひとつであった。 それ…

應劭(応劭)は入朝したのか

後漢書には應奉伝がある。應奉は汝南南頓の人で、150年代~160年代に武陵蠻に反乱の平定に功績があった。党錮の禁が起こると(166年)引退し、著作活動に専念した。 應奉の子が應劭である。應奉伝に続いて應劭の事績が記述されているが、記述量は父親よりも…